解説05「東福寺塔頭 光明院の庭」

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この庭を最初に観た時、正直「庭石が多い!」と思いました。
景石が多い、多すぎる。
日本の美意識では「間」というではないか!
ここに間は感じられない。一体どうしてこんなに石が多いのか!?

この謎は未だに解決はされていませんが、作者である重森三玲氏(東福寺本坊の庭も同時期に作庭した)の著作によると、この多数の石を施した作庭は、氏の全くの創作であり、狙いであり、意図であったとのこと。
庭をデザインしているのだから意図的であるのは当然ですが、なんと、三尊石(という釈迦三尊を現した石組み)が三カ所もあって、そこからの光明を他の石で表現したのだとか。これではいたるところ石になっても仕方がない。

それで、私もこれまで度々ここを訪れていますが、最近では石の多さにも慣れました。建物が斜めにギザギザに伸びているので、いろんな場所から、いろんな角度で庭と石組みが鑑賞できます。その時には、すべての石は見えない訳ですから、このくらいあってもいいのかなぁと最近は思っています。

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さて、ここはかつてJR東海の「そうだ京都行こう」のキャンペーンで紹介されたようで、建物内にポスターが貼ってあります。そのコピーが洒落ています。「日本のガーデニングです。どなたか、、、」20年ほど前のガーデニングブーム。日本は平安の昔から今日まで脈々と庭の文化を育ててきたのです。欧米のガーデンと比べて、いかに日本庭園独特の発展をしてきたか、この庭を見れば明らかになるのではないでしょうか。

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この庭も三玲氏が、手弁当で、すなわち奉仕的な状況で作庭されたとのこと。東福寺本坊庭園を製作中に頼まれて、同年の昭和14年(西暦1939年)に完成しています。重森氏43才のときです。後の昭和30年代になって、茶室が完成していますが、これも三玲氏の寄進奉仕とのこと。この創造意欲と後世へのサービス精神には頭が下がります。このようなことを思いながら庭を観て頂いたら気持ちも嬉しくなるのではないでしょうか。

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by pro_kawashima | 2018-03-17 14:25 | 庭の解説

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