解説02「平安神宮神苑」

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平安神宮は、平安時代に建立されたのではなくて、
平安京に都が移された西暦794年から1100年経った記念に、
794+1100=1894 の翌年 1895年(明治28年)に建てられた京都では新しい神社です。

今からすると120年余り前。先に解説した「無鄰菴」とほぼ同じ時に、
無鄰菴と同じ庭師、七代目小川治兵衛(植治うえじ)の作庭です。

無鄰菴庭園 3,135m2 950坪
平安神宮神苑 33,000m2 11,000坪

大きさでいうと、平安神宮神苑は無鄰菴の11倍もあります。

さて、この庭の特長は、
1)明治時代に造られた近代の「池泉回遊式」の庭であること
2)南、西、中、東の4つのゾーン(神苑)に分かれていること
3)王朝文化を感じさせる壮麗な社殿や意匠が散りばめられていること
でしょうか。

「池泉回遊式」庭園とは、「定座鑑賞式」庭園の対義語で、文字通り池の周りを歩きながら鑑賞する庭です。歩きながら見える景色が変化してゆきます。そしてここという眺めのよい場所がいくつか用意されています。
「定座鑑賞式」は禅の石庭のように、見る場所が決まっていてそこでゆっくりと鑑賞するというタイプの庭です。

ここ平安神宮神苑は、広いですから、4つのゾーンがあります。
それぞれに、樹木や草花、池の大きさ、明るさに違いがあって気持ちが移ってゆきます。
すこしづつ大きく雄大な空間へと変わってゆきます。

クライマックスは、栖鳳池(せいほういけ)にかかる橋殿です。
橋殿とは屋根のある橋。
ここを渡るときには、すでに平安時代の貴族の気分です。水の上から景色を眺めるという優雅さ。
桜の花が池に散る頃はなおさらです。

このように回遊式の庭園は、見る人が歩くことによって、映画のように見えるものが変化するようにデザイン(設計)されているのです。
また、池の中にある飛び石を渡るといった、体験型の趣向もあります。臥龍橋と呼ばれる場所です。

庭は樹木や季節、天候によって変化する芸術といえます。
それに歩くという要素を加えて、常に変化する映像作品に仕上がっているのが、この庭園の特長と言えます。その気になれば誰もが主役になれるのです。
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by pro_kawashima | 2018-03-09 02:41 | 庭の解説

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